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漆喰は、消石灰に糊、スサなどを混ぜた日本独自の塗り壁材です。壁材としての漆喰には、防火・防水・調湿性・抗菌・防虫などのさまざまな機能のみならず、その清廉な白さと重厚な質感は、建築物に流麗な趣を持たせます。さらに漆喰は、時の経過とともに徐々にその強度を高めながら、自然素材だけが持つワビの風情を醸します。
素材がシンプルであるが故に、高度な熟練技術が求められる漆喰塗りには、昔も今も左官職人としてのプライドが塗り込められています。


灰石(せっかいせき)を高温で焼くと、生石灰(きせっかい)という純白の固まりができます。これに水を加えると熱を出しながら固まりが崩れて、最後に粉状になります。この粉状のものが消石灰(しょうせっかい)という漆喰の主原料です。
消石灰は、左官の漆喰材以外にも、さまざまなことに利用されています。消石灰のアルカリ性を利用した酸性土壌の中和剤として畑にまかれたり、セメントの原料、製鉄、排ガスの浄化、さらに水害時の消毒剤として散布されたりします。さらに身近なものでは、運動場のライン、お菓子や海苔と一緒に入っている乾燥剤、こんにゃくの凝固剤などです。

純白で機能性に優れたこの消石灰を、建築物の内外壁用材として利用するために、昔から多くの工夫が施されてきました。壁や天井に塗りつけても、簡単にヒビが入ったり、砕けて落下してしまっては壁材としての利用価値はありません。そこで、日本では材料の伸びを良くし、急速な乾燥を遅らせるための「糊(のり)剤」と、乾燥する過程でヒビが発生しないよう麻やワラでできたスサという「つなぎ剤」が用いられました。そして、これらを調合したものが漆喰と呼ばれる壁材になります。

日本で壁材として使用されている土や珪藻土、モルタルなどは、その中に含まれている水分が蒸発することで硬化します。ところが漆喰は、水分が抜けた後、空気中の二酸化炭素と反応し、3年で1ミリほどのじっくりとした早さで硬化し続けます。
 


平安時代の初期には、壁材として漆喰が使われるようになりましたが、石灰を作るために大量の燃料が必要なことと、糊剤として高価な食料である米が使われていたことなどの理由で、漆喰は大変貴重でした。そのため、寺院や宮殿などで限定的に利用されたに過ぎませんでした。しかし安土・桃山時代の戦乱期になると、耐火性にすぐれた漆喰が注目され、城郭の壁面や軒裏に利用されるようになります。そして江戸時代に入り、全面漆喰の姫路城が建立され、白鷺城の別名が示すとおり、白亜の輝きは現在でも色あせていません。

江戸期になると、高価な米粥の糊剤に代わって、海藻を煮詰めて製造する安価で作業性の高い糊剤が登場し、これによって漆喰が広く普及することになりました。漆喰は経済力のある商人の土蔵などに盛んに使われはじめ、それと同時に装飾や意匠性を競う華麗な左官職人の技術が開花しました。漆喰は、防火防水という実用性のみならず、その財力を誇る象徴になったのです。

しかし、戦後の経済復興や高度経済成長期を通過する中で、建築施工が安く・早く・簡単にできる工法へと大きくシフトし、技術や手間のかかる漆喰塗りなどは敬遠されるようになりました。工業製品の外壁パネルをねじ止めしたり、合板を打ち付けた上からクロスを貼る作業であれば、アルバイトの大工でもこなすことができます。

効率だけが重視された建築工法が社会問題となったのがシックハウス症候群です。工業製品の建材から少しずつ漏れ出す有機系のガスが室内を汚染し、人体にさまざまな悪影響を及ぼします。住宅の機密性が高まったこともあり、その危険性はすでに無視できないレベルに達しています。行き過ぎた効率性の歪みが健康被害となって現代社会に現れていると言っても良いでしょう。

現在、さまざまなシックハウス対策をうたう商品が広まっていますが、結局、自然素材に勝るものはありません。その自然素材である漆喰は、防火・防水・防かび・防虫・抗菌・調湿などの機能を備えた上、堅牢性と装飾性に優れる最高の壁材であることに昔も今も変わりません。漆喰塗りが安全性の重視や環境問題などによって、再度脚光をあびていることは、左官事業者として大変喜ばしいことですが、それとともに、日本の風土の中で千数百年にわたり培われてきた漆喰の施工技術を、将来に伝えていかなければならないと強く思います。